絨毯

ペルシャ絨毯ができるまで

 

とても美しいペルシャ絨毯は、数多くの人の手によって数ヶ月もかかって、
やっとひとつのペルシャ絨毯ができあがります。

ペルシャ絨毯の素材はシルクと羊の毛です。

シルクはペルシャ絨毯の高級な素材で、
シルクの糸はカスピ海沿岸で飼育された蚕から取れる糸を使っています。
羊の毛は、山脈の遊牧民に育てられたペルシャ羊の毛が使われています。
大変丈夫な弾力性がある毛で足で踏んでもすぐに元に戻ります。

また、染色技術がすばらしく、
時間がたっても絨毯の色があせない、いつまでも鮮やかな色を保ちつづけます。
染料には、ぶどうが用いられましたが、
天然染料だけではうまく染めあがらない場合がありました。

この染料をうまく染め上げる特別な染料技術は、
世界のどの国にもない技術で、染物の色鮮やかさがいつまでも残るだけでなく、時間がたてば逆に、色が映えてくるという優れた技術でした。

絨毯のデザインは、方眼紙にかかれ、型紙が取られます。
絨毯の織りは、ペルシャ絨毯がつくられる過程の中でも一番手のかかる作業で、
織りあがるのに数年かかります。

出来上がったペルシャ絨毯は、一度洗われます。
もんだり絞ったり出来ないので、広げられた絨毯に水がかけられ、
鉄くわで、水を押し出すという洗い方です。洗い終わると天日に干されます。

乾くと今度は仕上げです。パイルを切りそろえるという作業が繰り返されます。
ペルシャ絨毯が出来上がるまで手の込んだ細かい作業と時間がかかっています。
また、いろいろな名前のペルシャ絨毯がありますが、
ペルシャ絨毯は、つくられる産地の名がつけられています。

ペルシャ絨毯が日本で普及したのは、ここ30年の間ですが、
日本で売られていた当初、ペルシャ絨毯は商売にはなりませんでした。
何百万もする絨毯は、たびたび売れるものではなかったし、
一般人が買える価格ではありませんでした。
今では、3分の1くらいに値下がりしましたが、それでも値段が高く、
ペルシャ絨毯は、高級品には違いありません。
それと同時にコピー商品が出回るようになりました。

Site Contents

What's New